● 公式ネットタイム
今日は寒い。
走るには絶好の気象状況である。
目標は昨年の「2:08:49」を上回ることで、2時間8分半である。
何よりも転ばないことが大切である。
肘・膝のプロテクターはつけているし、左右に手のひらサポーターもはめている。
安全対策はがっちりである。
軽く走ってみる。
身体も軽いし、足も動く、調子はいいようだ。
最後尾からのスタートする。
集団の中ではどうしても引っ張られてしまい、ペースがわからなくのが怖いのである。
ハーフのランナーは9000人ということである。
(注:帰ってきて検索してみたら「完走者は8,206人」とあった)
ゲートをくぐるまで10分ほどかかる。
● スタート前 晴れやかな顔
後ろをみたら遅れてきた人や、ゆっくり行こうというウオーカーなどが入ってきて、最後尾集団ということになる。
5kmくらいまでは人と人との間を抜けるので、ときにぶつかって「ソーリー」と言葉が出る。
5kmの通過は「31:16」で速くもなければ遅くもない。
ペースは守られているとみていい。
たんたんと進む。
体は軽く動いているし、足も楽々である。
ホリウエルの手前あたりであったか、トップランナーとすれ違う。
日本人で2位以下を大きく引き離している。
このまま行きそうな雰囲気である。
後の検索で山岸宏貴で、2位に30秒以上の差をつけて優勝している。
いよいよ魔のパラダイスポイントに入っていく。
ここの車道はスピードを抑えるために、凸状の盛り上がりが数か所ある。
往復で10カ所くらいあるのではないか。
過去に転んだことはないが、転びそうになったのは何度かある。
昨年もけつまずいて泳いでいる。
今回は3つほどうまく通ったら、4つ目でつまずきそうになった。
気が緩んだせいと、混んでいて視線が道路ではなく前にいっていたせいである。
10kmポイントを通過する。
手元計時で「1:02:01」(公式では「1:01:58」)である。
公式計時は10km、20kmで行われている。
この5kmを「30:15」でいっている。
トータルでは5kmスプリットは「31分ちょうど」になる。
すこぶる順調である。
疲労は体も足もまったくない。
軽くて、切れがいい。
公式ではここの通過は「5718」番とある。
ということは最後尾スタートからみるとここまで「2,400人」ほど抜いてきたことになる。
折り返して今度も注意深くデッピングをやり過ごす。
これでパラダイスポイントを抜ける。
以後は走るだけ。
気分よく走れている。
15kmを通過する。
「1:32:09」である。
この間のスプリットは「30分08秒」。
まさに好調そのものである。
キロ6分で最後まで走れそうである。
とすれば2時間8分台で行けそうである。
ここまで3,000人くらいは抜いてきただろう。
しかし、女神は私には微笑まない。
16kmを過ぎて
「あと5キロほどだ、いけるぞ!」
と思ったらアクシデントである。
右のフクラハギにビリッときて、筋肉が硬直してしまった感じで、つんのめりそうになる。
ときどきこういうことは練習でも起こっていた。
でもしばらく様子見でスピードを落とすと直ることが多い。
だが、今回は違う。
立て続けにきた。
3回目は今度は左のフクラハギである。
左右にフクラハギがランダムに硬直する。
つまり「ツル」のである。
当然のことながら痛みが伴う。
何とかランドエンドブリッジを越える。
ここはカメラポイントになっている。
数台のカメラがカチャカチャとシャッターを切っている。
● ランドエンド
痛みが走るたびに、ゆっくりと足をおろす。
そのうち回数が頻繁になる。
吊るたびに足を止めちょっと歩き、またゆっくり走るという形に変わってくる。
ペリカンシーフードあたりで本格的な歩きが入ってくる。
ここからゴールまであと3キロほどである。
ちょっと走って、ビリッときて、歩く。
これの繰り返しになる。
護岸歩道ではベンチにすわってフクラハギのマッサージである。
それで直るものでもない。
体も足も上々の状態にある。
スタミナも十分に残っている。
なのにフクラハギだけがいうことをきかない。
原因は?
ということになるが、おそらく両足のフクラハギが同時にということからすると、ランニングシューズだと思う。
転ばないようにと、キッド・シューズの固い敷底靴を履いている。
このシューズに換えてこれまで転んだことがない。
「転ばぬシューズ」として信頼していた。
確かにこの固い敷底は転びにくいが、その反動は大きい。
この靴でこれまで数回21kmを練習してきたが、フクラハギの支障は出ていない。
これでいけるはずだと思ったのだが、どうも今日この日に、その溜まりに溜まった疲れというかダメージが一気に噴き出してきたような気がする。
つまりこの敷底クッションは、というよりこのシューズ自体が同じランニング用であったとしても、短距離・中距離用でマラソン用ではなかったということだと思う。
地面を蹴る力がこれの方が強く、スピード走に向いているのかもしれない。
実際、キッド用となればキッドはハーフのような長い距離は走らない。
おそらく5kmくらいまでであろう。
10km走もないのではないか。
ということは長距離用でないシューズでこれまで練習してきたわけである。
ランニングというとマラソンというイメージが強く、短距離走についてはまるで頭に浮かばなかった。
短い距離なら地面に吸い付くようで走りやすく転ばないのであろうが、距離が長くなると蹴る力が強くなりその振動によって筋肉がいたぶられるというわけである。
数十回、いや百回くらい走ったり止まったり走ったり止まったりを繰り返すことになった。
膝プロテクターをフクラハギにずりおろしたりする。
もちろん気休めでしかない。
走れるのに走れないというのは、なんとも惨めなものである。
レンフォックス公園横を通り、ロダークリークを渡ってすぐのところに20kmのチェックポイントがある。
「2時間07分36秒」である。
この間の5kmは「35:27」で、キロ7分を超えている。
通過順位は「5712」番とのこと。
ということは10kmのそれとほとんど同じ。
つまり10kmから16kmの間で抜いた人数を、16kmか20kmで抜かされたということになる。
残りは1.1kmである。
何とか何とかと必死で、とめどもなくゆっくり走る。
歩道にはたくさんの観客がいる。
歩くのはみっともない。
どんなにゆっくりでもいいから走らないといけない。
● ゴール前300m 取り付け道路に曲がったところ
苦痛に歪む顔 膝プロテクターをフクラハギに巻いている
取り付け道路に曲がる。
あと300mほど。
ゴール前で俄然元気になったランナーが後ろから前へと流れていく。
● ゴールゲート前
フィニッシュゲートをくぐる。
「2時間15分52秒」である。
「5858」番、ということはこの1.1kmで 146人に抜かされたことになる。
これは思ったより少ない。
やはり、皆ラストは疲れ果てているのだろう。
惨めなレースとなってしまったが、終わった。
完走者 8,200名で 5,850位ほどとなった。
年齢カテゴリーでは中間より少し速い程度であった。
一昨年に最低記録を作っている。
この時のタイムが「2時間16分43秒」である。
それよりかはいいが!
一年に一度のイベントが終わった。
● 完走Tシャツ’
_