2016年12月27日火曜日

泊まれない!!:予約し、払込を終わっているのに、窓口がお休み!

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25日というクリスマス日に日本から娘とそのパートナーがやってきた。
まあなんでこのハイシーズンにと思うが、年末年始でないとまとまった休みが取れない日本の職場事情の悲しさ、倍値段でも已む得ないということである。
クーランガッタ空港は雨。
というよりゴールドコーストが雨。
リゾートのチェックインは1時半という。
場所は空港ちかくのエラノラ。
さ-てそれまで、どうするか。
普段ならパシフィックフェアーとか、ロービーナタウンセンターとかでヒマを潰せるが、何とも日付けが悪い。
「クリスマス」でどこもクローズ。
海岸へいっても雨で何も見えない。
砂浜でゴロンと横にもなれない。
ぬれそぼるだけ。
とりあえず、今日一食分としてカップラーメン2ケと果物、そのほか店は閉店で手に入らないだろうからと用意しておいたビール、ジュース、ポテトチップス、短期間分のコーヒーなどを渡す。

まず空港のバジェットでレンタカーをピックアップした。
ここでトラブル。
予約していた車がマニュアル。
貧乏性の娘はろくにチェックもせずに「ただ一番安い」という要項だけで、2ドアのホールデン・バリーナを予約していた。
普通なら、トヨタ・ヤリスを指定して、オートマとするだろう。
工事関係の仕事をしているパートナーはマニュアルでもいかれる。
しかし娘は、こちらでオートマで免許取得して、そのまま日本にいって書き換えをしたのでマニュアルは運転できない、というより道幅の狭い日本では怖くて運転できない。
いわゆるペーパードライバーに似たりよったりのたぐいである。
親切にも飛行場内のバジェットのカウンターが同じ値段でマニュアルをオートマに変更してくれた。

車も手に入ったし、さてこれからどうする。
まずは腹ごしらえとばかりに、でかいブレックファーストにかぶりつく。
昨日の3時から何も食べていないという。
空港の荷物検査でひっかかって時間を大幅にロス。
こんな世界情勢なのでテロを警戒してか、日本でもやたら検閲がうるさいらしい。
詰め替えなどに時間をくって食事ができずに、そのまま機内にということになったようだ。
いつものことで相変わらずだが娘の段取りの悪さにはアキれる。
もう少し、要領よくさばけないものだろうか。
私は朝食を食べない人種なので、目の前でハムソーセージを挟んだ大きなパンにかぶりつく二人をみていると、胃の腑がムカついてくる。

 朝食も終わってこれからどうするかだが、雨は全く止む気配もない。
 行き先を失った娘、ソーっといわく
「家へ行ってもいい?」
お天気様のことなので「ダメ」というわけにもいかず、
「いいよ」
となった。
 つまり本日の予定はすべてとりやめので急遽我が家へくることになったわけである。
我が家は空港から40分から45分ほどかかる。
ということは、空港に近いエラノラの宿泊処には、また戻ることになる。
夜は自宅で皆で食事ということになっているので、再びやってくることになるのだが。
 でもこんな天候状態の中放り出すわけにもいかない。
 クリスマスというこの国で最も動きのない日にやってきた不運である。
  
 雨のなか先導するのが、これ結構難しい。
 車姿がオボロになり、後ろについているだろうなとライトを確認しながら走らせる。
 2,3台が間に入るともういけない。
 姿を見ることは不可能になる。
 一度だけ鈍すぎる車を追い越すために車線変更をしたが、それを除けば左車線を制限速度ピッタリで走る。
 後ろはついてきているものだと信じるしかない。
 運転はパートナーがするが、娘は10年以上こちらでは運転していないし、雨雲がたれこめ視界がひどく悪く、車はライト点灯で走る状態では、道の見分けもつかないだろう。
 それでもなんとかかんとか家にたどりついた。
 
 娘は8月にも来ているので今年2回目になる。
 実家に帰ってノンビリムードである。
 パートナーはオーストラリアは初めてだし、それに娘の父親に初めて会うということで緊張しているかとおもいきやえらくリラックスである。
 第一印象からして『工事現場のカントク』であったから、こちらも緊張感なくそこそこに対応することになった。
 女房は毎年日本にいって会っているので、ほとんど家族待遇である。
 また、こちらはこんなことになるとは思っていないので昼間の備えはしていない。
 つまり、昼食は出さない。
 宿舎に入ったらお湯でも沸かしてカップラーメンでも食え、である。
 そのために2ケ渡してある。
 ポット備えはあるはずだから注げば食べられる。
 夕食はとりあえず豪華に用意はしてあるのだから。
 1時ころにエラノラに戻っていった。

 さて、夕方に息子がやってきて、しばらくして娘たちがきた。
 息子はフォード、レンタカーはホールデン、私はヤリス、まるで小型車の展覧会である。
 家族5人での初の会食ということになった。
 工事現場のカントクはワインを1本あけて饒舌になっていく。
 ところでエラノラの宿舎はどうかと聞いてみた。
 「コアラのお出迎えです」という。
 なんと入口のところにコアラがいたという。
 上の写真がそれ。
 それに宿舎は1ベッドルームのDKつき民泊で思ったよりはるかによかったという。

 10時ころ帰っていった。
 工事現場主任はアルコールの入りすぎで、車の運転はやばい。
 この時期、アルコールチェックがあちこちで行われている。
 娘が代わって運転することになる。
 昼間なら、昔慣れたものだから安心であるが、夜ともなると住宅街は本当に暗い。
 大丈夫だろうかと思ったが、「大丈夫です、サポートしますから」と現場オッサンが言うのでそれに任せるしかない。
 果たして無事つくだろうかと心配していたが、メールが入ってきたので無事着き一安心ということになった。

 さて、一夜明けてまたやってきた。
 朝、出かけていったフレア・ワイルドライフ・パークはドシャブリでやめにしたという。
 昨夜置き忘れてたケイタイを取りいくということでやってきたのだが、こちらは雨はまったく降っていない。
 といっても曇り空なので、雨に濡れないことを除けば、気象条件は観光できるような状況ではない。
 ショッピングセンターでもということになるが、今日はボクシングデイで大きなショッピングセンターはどこも満杯で駐車場もなくなるはずである。
 それではどこに行こうかな、ということになる。
 この近くならクーンババの保全公園へ行けば野生のカンガルーが見られると言うと、そこへ行こうということになった。
 車で10分もかからない場所で、ハーバータウンの後ろにあたる。
 「いってらっしゃい」
と送り出す。

 今日の泊りはメインビーチで2泊である。
 昨日の民泊は1泊しか予約できなかったという。
 ちなみにいうと、ゴールドコースト6泊の予定で、1泊、2泊、2泊、1泊の6泊である。
 場所はエラノラ、メインビーチ、サーファーズパラダイス、パームビーチである。
 ハイシーズンで時期が時期なので連続的にとれなかったことと、この町出身の娘にとって、観光地などはどうでもよく、いろいろなホテルやリゾートを泊まり歩いてみたい、というのが先行したようである。
  チェックインは2時とのこと。

 さて、送り出して今日はこれで〆であろうと思ったのが大間違い。
 3時過ぎにまたやってきた。
 「なんで!」
 「泊まれない!」
 「どうして?」
 「受付ブースが開いておらず、係り員は今日はお休みだ」という。
 「緊急電話はかけても留守電になる」
 「!!!」
 ついに、天候だけでなく、人為の宿舎にも見放されたか、という雰囲気である。
 口ではああでもないこうでもないというが、誰も慌てないのは、もし宿泊が取れなければ実家に泊まればいい、つまり泊まれるところはあるという安心感である。
 
 家のパソコンを使って予約をしたエージェントのトリップアドバイザーの「アンゴラ」にメールを入れる。
 なにしろお金は払い込んで引き落とされてしまっている。
 娘は真剣にキーボードをたたいて、ドタンバタンやっている。
 しばらくたって、アンゴラから返信がはいる。
 やはり、
 宿泊予定先に連絡がつかないとのこと、対応を協議します
とのこと。
 そしてしばらくして、
 「払い込まれた金額は全額返済します。
 1泊分をサービスします。
 あとの1泊はお客様のご負担になります。
 その宿泊処は当方が斡旋してもよく、あるいはお客様が探されてもご自由です。」
といった内容である。
 指定された1泊地はブロードビーチのワンランク上のホテルであった。
 指定されたのは明日の宿泊。
 ということは今夜の宿泊はどこになるのか?
 娘が矢のようにキーボードを叩きリストアップしてくる。
 判断は部屋の写真のみ。
 かっこいい部屋でないと納得しない。
 娘の性格がもろ出ている。
 あれはどうか、これはどうかである。
 なかなか決められない。
 私も女房もパートナーもいい加減アングリになる。
 さてさて、時間も経ち何とか明日の宿泊処に近いブロードビーチのリゾートホテルに決まった。
 6時ころ出ていった。
 3時間ほどパソコンとニラメッコしていたことになる。

 1時間半ほどたったか、窓からみるブロードビーチの写真が送られてきた。
 これでみるとモノレールが上から見える位置にある。
 ということはすくなくとも5階以上で見晴らしはなかなかということになる。
 それにバスタブもある。
 通常ここではシャワーのみが普通である。
 
 昨日今日とハプニング満載のドタバタである。
 でもお金をとっておいて受付をしないというのはいったいこのリゾートはどうなっているのだろう。
 サービスエージェントのアンゴラも損失をこうむっており、おそらくこのリゾートの仲介を停止することになるだろう。
 娘のように土地勘があり、言葉に不自由がないからいいが、一般の観光客ではそうはいかないだろう。
 6泊の内容は
 「1泊、1泊、1泊、2泊、1泊」
となり、まさにゴールドコーストの宿泊地をを渡り歩く形になっている。
 娘にとっては希望通りということになる。


【 南のおーきな島・小粒な大陸 】


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