2017年5月9日火曜日

トヨタとGMがオーストラリア生産から撤退:日米の1.5倍の賃金

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 オーストラリアの人件費は異常に高い。
 それでやっていけるのは、エネルギーと食料を自前できるだからだ。
 それでも国家は借金まみれである。
 日本の政府の借金も膨大といわれているが、国家の借金となると話ががらりと変わる。
 日本は世界ナンバーワンの債権国で世界にお金を貸し付けている。
 それから得られる利息だけでも膨大な金額に上る。
 しかし、オーストラリアは外国からの借金で首が回らなくなっている。
 ある発表によると、借金でつぶれる国家のナンバー3はオーストラリア、カナダ、韓国だという。
 日本はその10位にも入っていない。
 日本政府の借金は国民からのもので、外国からのものではないからだ。
 借金大国ニッポン
なんていうのはウソのウソである。
 ほんとうの借金大国オーストラリアの賃金は以上に高く、ために産業はドンドンと人件費の安いアジアに逃げていく。
 昔、アップルがアイフォンを発売したとき西日本のコールセンターを人件費の安いブリスベンに置いたことがある。
 この運営を手掛けていたのが、宿敵にあたるIBMであった。
 アメリカというところはすごいことをやるもんだと思う。
 大阪の人がアイフォンを買って、何かの関係でコールセンターに電話をすると、それはブリスベンで対応を受けることになった、ということになる。
 実際そこに息子が務めていた。
 ちょうど、現在英語圏のコールセンターの多くがインドに置かれているようなものである。
 だが数年で、ブリスベンは引き払ってしまった。
 賃金が高騰したのである。

 日本で働いてオーストラリアで使う、という時代があったが、今ではオーストラリアで働いて日本で使う、という形に変わっている。
 オーストラリアの賃金はどんどん上がるが、日本の賃金は物価が上がらないため、横滑りするだけになっている。
 簡単に言うとインフレというのはモノが少なくお金が多いことをいう。
 モノが少ないのでそれに殺到してものの値段が上がる。
 それにつれて賃金が上がる。
 お金が出回る。
 逆にデフレはモノが多くお金が少ないことをいう。
 モノが余っているので値段が下がってしまう。
 モノが売れなければ、賃金は安いままである。
 お金は不要に市中には流れない。
 金余り現象が日本の形なら、日本は永遠にデフレで賃金は上がらないということになる。
 日本の個人資産は世界トップである。
 その額、1,800兆円。
 半分はタンス預金という。
 ブリスベンを引き払ったコールセンターは安い賃金を求めて北海道へ移ったのである。

 隣に低賃金のアジアが控えているオーストラリアでは産業は発展しない。
 企業はどんどん逃げ出している。
 自動車はその典型例である。
 しばらく政府が補助していたが、それも限界でもうじきオーストラリアは自動車輸入国に変わる。
 こんなに賃金が上がっていいものだろうかと心配してしまうほどにスゴイ。
 産業は逃げ、国土を担保にしてお金を借りて、
 行きつくところまで行ってポシャル、
といった姿がオーストラリアの未来図でもある。
 でもその間、ビールとワインをガブ飲みして、太鼓腹のオッサンとビヤ樽腰のバアサンを量産して、
 今がよければそれでよし、将来は? どうにかなるだろう
とお気楽に過ごしている。
 その一人に私もいるのだが。
 この国で再び自動車が量産されることは未来にわたってない
であろうと思う。


ダイヤモンド・オンライン 5/9(火) 6:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170509-00127124-diamond-bus_all

トヨタとGMが豪州生産から撤退、
激変する自動車勢力図

●オーストラリア生産から撤退するGMホールデンの人気車種アストラ。全長4386mm、エンジンは1.4Lと1.6L

■豪州、英国、インド 変わる自動車メーカー勢力図

 世界の自動車生産地と自動車メーカー勢力図がいま、大きく変わりつつある。
 年内にオーストラリアからトヨタとGMが生産拠点を撤退し、オーストラリアは完全な自動車輸入国になる。

 仏・PSAグループ(プジョー/シトロエンなど)が米・GM(ゼネラルモーターズ)からオペル/ボグゾールを買収したため、英国には久々に仏系メーカーが誕生する。

 インドのマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)は買収した韓国・双龍(サンヨン)自動車の資産を活用した商品展開を進め、同じ韓国の現代(ヒュンダイ)に対抗している。

 ひとつひとつは大きな出来事ではないが、世界の自動車産業がつねに時代のうねりの中にある状況がよくわかる。
 事例ごとに説明しよう。
 まずオーストラリア。
 GMは2013年末に、トヨタは14年2月に、それぞれオーストラリア子会社による車両およびエンジンの生産終了を発表していた。
 その実施が今年である。
 1980年代半ばの最盛期にはフォード、日産、三菱、ダイムラー・ベンツがそれぞれ乗用車を生産し、
 米・ナビスター・インターナショナルとボルボはトラックを製造していた。
 一時期、日産はブルーバードを、三菱はマグナをオーストラリアから日本に輸出していた。

 オーストラリアからの生産撤退は1トンピックアップトラック(PUT)から始まった。
 ASEAN(東南アジア諸国連合)の自動車市場が拡大した80年代末に、日産と三菱はアジア太平洋地域の1トンPUT生産をタイに集約する方針を決め、トヨタも同様にPUT生産をタイに移管する。
 タイはPUTを国民車として扱い購入税を優遇していたため、同国で生産活動を行う日系メーカーが、PUTの集中生産に乗り出したのである。

 自動車需要は人口で決まる。
 オーストラリアの2400万人に対し、タイおよびタイから低関税で輸出できるASEANはその10倍以上の人口を抱える。
 そして、自動車の生産工場は、労働コストが重要なポイントになる。
 この2点から、オーストラリアは〝不適切〟と判断された。
 その後、フォードも同様の決断を下し、最後まで残ったGMホールデンとトヨタも年内で現地生産を打ちきる。

 GMといえば、メキシコ工場で生産しているシボレー・クルーズについて、トランプ米大統領が「国境税を課す」と発言した。
 クルーズは韓国のGMコリア(旧大宇(デーウ)自動車)とGMホールデン、そしてGMメキシコなど、米国以外の国での生産を前提に開発された。
 それぞれ近隣諸国への輸出を行い、オーストラリア製はニュージーランドにも輸出されている。

 こうした自社の生産拠点を有効活用したいというメーカーの思いも、周辺事情の変化によって計画見直しを迫られるその一例が、今回のオーストラリアからの撤退といえる。

■新興国間での企業売買も さらに活発化する見込み

 いま、最も自動車市場が伸びているのは新興国である。
 昨年、中国では2803万台もの新車が売れ、インドでも約380万台が売れた。
 ブラジルは前年比で11%落ち込み216万台だったが、それでもイタリアを大きく上回る販売台数である。
 いまや新興国を抜きに自動車産業は語れない。
 同時に、新興国では地元の自動車メーカーが育っている。

 中国の上海汽車はタイの大手財閥と共同で、2014年にタイ工場を立ち上げている。
 生産するのは上海汽車が買収したMGローバーの流れをくむモデルである。
 もともとは英国ブランドだったMGが中国の国営企業とタイの財閥によって生産される現状は、かつては考えられなかった。
 中国では独立系の吉利(ジーリー)汽車がボルボのオーナーであり、近年のボルボの新車開発は吉利の資金投入の成果である。

 インド資本も攻勢に出ている。
 大手財閥のタタ・グループがジャガー・ランドローバーを買収したのは08年だったが、ジャガーとランドローバーの新車ラッシュのバックにもタタの資金がある。
 タタ財閥が運営するタタ・オートモーティブ・グループ(TAG)は、中国の独立系自動車メーカーである奇瑞(チェリー)汽車と共同で中国にジャガー・ランドローバーの工場を建設した。

 タタのライバル、M&Mは、10年に買収した韓国・双龍自動車の技術と知的財産を活用し、SUVと高級セダンをインド市場に投入した。
 双龍はかつて、ダイムラー・ベンツと提携していた時代に、旧型Eクラスの知的財産の一部を買い取るなどの投資を行っている。 
 その後、双龍は経営破綻し、中国の上海汽車が出資したが、その上海汽車は“技術をすっかり吸収した”後でM&Mに双龍を売却した。
 新興国間でのこうした企業売買は、今後ますます活発になるといわれている。

■英国でも地元資本は消滅 何が起きても不思議ではない

 ふと気づけば、英国にはもはや地元資本の量産メーカーはない。
 ロータスはマレーシアのプロトンがオーナーであり、
 ボグゾールはPSAの手に渡った。
 ジャガー・ランドローバーはインド企業の関連会社である。

 スウェーデンも同様で、ボルボは中国企業が支配し、サーブは紆余曲折を経てブランドが消滅した。
 そうかと思えば、自動車メーカーが存在しなかったイスラエルの投資会社イスラエル・コーポレーションは、中国の奇瑞汽車と合弁で観致(コロス)汽車(QOROS)を立ち上げた。
 そして、日本では三菱自動車が日産の子会社となり、スズキはトヨタとの提携交渉を行っている。
 現在、自動車産業界には“メーカー間で何が起きても不思議ではない”というムードが漂っている。

 (報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)



Record china配信日時:2017年6月13日(火) 9時40分
http://www.recordchina.co.jp/b180971-s0-c20.html

世界で最も長く経済成長が続いている国とは?
26年衰えず―英紙

  2017年6月12日、英紙タイムズは「オーストラリアの経済成長が26年続き、オランダを抜いて世界最長を記録した」と報じた。参考消息網が伝えた。
 タイムズによると、オーストラリアの国内総生産(GDP)は今年第1四半期、0.3%増と09年以降で最低の伸び幅だった。
 一方、港湾、鉄道、道路、工場建設などへの投資は4000億オーストラリアドル(約33兆1323億円)に達し、石炭、鉄鉱石、天然ガスの輸出額は過去最高を記録した。

 オーストラリア経済は世界経済が01年のネットバブル崩壊、08年のリーマンショックと2度の金融危機で疲弊する中、1991年以降26年にわたってプラス成長を続けている。
 東南アジア諸国は90年代末のアジア金融危機、
 日本にいたっては30年間に6度の景気低迷を経験している
のと対照的だ。
 オランダは82年に成長がスタートしたが、リーマンショックに端を発する世界経済の危機に巻き込まれた。

 オーストラリア経済の勝因は、80〜90年代に変動相場制の実施に踏み切り、賃金を自由化して銀行の独立性を高め、高率の輸入関税を廃止したことにあるだろう。





● NICHIGO PRESS 7月号




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